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最終更新:2026年8月27日|執筆:屋根の本音 編集部|監修:屋根・外装の実務に携わる専門家(二級建築士・二級施工管理技士。記事末プロフィール)
🔍 この記事の結論(先にお伝えします)
- 家の使い道が決まる前でも、落下・飛散・雨水浸入のおそれがある場合は、安全確認と応急措置の要否を先に確認する
- 選択肢は「直す・壊す・そのまま」の3つではない。応急措置 / 本格修理 / 期限を決めた管理 / 解体前の安全確保 / 現況のまま売却に分かれる
- 「そのまま」は方針ではなく、管理方法と期限がセットの一時状態
- 固定資産税の住宅用地特例は、空き家になった時点ではなく、市区町村長から勧告を受けたときに外れる(空家法ルートの場合)
- ただし勧告以外でも、賦課期日にその土地が地方税法上の「住宅用地」に当たらないと市区町村が認定すれば、特例の前提を欠く
- 勧告は安全の基準ではない。事故時の民事責任は、勧告の有無ではなく民法717条の要件に沿って判断される
実家を相続した、あるいは転居して無人になった——そのあとで屋根の傷みに気づいたとき、いきなり「直すか壊すか」を決めようとすると行き詰まります。
家の使い道が決まっていないからです。この記事は、使い道が決まる前でも動かせる部分と、決まってからでよい部分を分けます。
「直す・壊す・そのまま」の3択にしない
相続した家の屋根について、実際に取りうる手は3つより多く、しかも同時に走らせるものがあります。
| 手 | いつ選ぶか | 中身 |
|---|---|---|
| 応急措置 | 使い道が未定でも、落下・飛散・雨水浸入のおそれがあるとき | 専門業者による飛散しかけた部材の固定・撤去、破損部の養生、雨水浸入箇所への応急対応 |
| 本格修理 | 家を残して使う・貸す・住むと決めたとき | 葺き替え・カバー工法・部分補修。下地の状態次第で工法が変わる |
| 期限を決めた管理 | 方針が決まるまでの間 | 点検の頻度と次に判断する日を決める。放置とは別物 |
| 解体前の安全確保 | 解体すると決めたが、着手までに間があるとき | 落下・飛散の防止。近隣との距離が近いほど優先度が上がる |
| 現況のまま売却 | 直さずに手放すと決めたとき | 屋根の状態を開示したうえで条件を詰める |
※応急措置や屋根上の確認は、所有者自身が屋根に上がって行うものではありません。地上・室内から確認できる範囲を記録し、屋根工事業者等に現地確認を依頼してください。
「そのまま」を長期方針にしないでください。 保留する場合は、管理方法・担当者・次の確認日を決めます。それを決めて初めて「期限を決めた管理」になります。
使い道が決まっていなくても先に動かす状態
次に当てはまるなら、方針の決定を待たずに手を打つ対象です。屋根の部材は、落ちる先に人や車や隣家があるかどうかで、緊急度が変わります。
- 棟板金や役物が浮いている、めくれかけている(→ 棟板金の浮きは放置していい?)
- 瓦・スレートがずれている、割れて欠片が落ちている
- 天井や壁にシミがある、雨のあとに濡れている(→ 雨漏り修理の費用はいくら?)
- 軒先や雨樋が外れかけている、垂れ下がっている
雨水浸入をそのままにすると、屋根材だけの話では収まらなくなります。下地(野地板)や小屋組が濡れ続けると、あとで直すときの工事範囲が広がることがあります。方針が「解体」に決まった場合でも、それまでの落下・飛散は別の問題として残ります。
屋根の傷みと「管理不全空家等」「特定空家等」の関係
空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)には、段階の違う2つの状態があります。用語が似ていますが、別物です。
| 状態 | 条文 | 定義(条文の言葉) |
|---|---|---|
| 空家等 | 2条1項 | 建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地 |
| 特定空家等 | 2条2項 | そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態、著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態、その他放置が不適切な状態にあると認められる空家等 |
| 管理不全空家等 | 13条1項 | 適切な管理が行われていないことにより、そのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある状態 |
行政の関わり方も、2つのルートに分かれます。
| ルート | 措置の流れ(条文) |
|---|---|
| 管理不全空家等 | 指導(13条1項) → 勧告(13条2項) |
| 特定空家等 | 通常の段階:助言・指導(22条1項) → 勧告(2項) → 命令(3項) → 行政代執行(9項)。※非常時には11項の緊急代執行もある |
「管理不全空家等 → 特定空家等 → 強制解体」と一本道で進むわけではありません
管理不全空家等を必ず経由して特定空家等になるわけでも、管理不全空家等への勧告からただちに命令・代執行へ進むわけでもありません。
なお22条1項には括弧書きがあり、倒壊等著しく保安上危険/著しく衛生上有害の状態にない特定空家等については、措置から「建築物の除却」を除くとされています。「特定空家等=解体を命じられる」ではありません。
屋根の破損は、上の定義のうち「倒壊等著しく保安上危険」に関係しうる部分です。ただし、屋根に破損があるだけで自動的に管理不全空家等や特定空家等になるわけではありません。判断は、市町村長(特別区は区長)が個別に行います。
固定資産税の住宅用地特例は、いつ外れるのか
「空き家にすると固定資産税が6倍」という説明がありますが、線引きの位置と数字の意味を分ける必要があります。
地方税法349条の3の2は、住宅用地の課税標準の特例を定めるにあたって、次のものを「住宅用地」から除いています。
空家等対策の推進に関する特別措置法…第十三条第二項の規定により所有者等に対し勧告がされた同法第十三条第一項に規定する管理不全空家等及び同法第二十二条第二項の規定により所有者等に対し勧告がされた同法第二条第二項に規定する特定空家等の敷地の用に供されている土地
——地方税法349条の3の2第1項
つまり、空家法のルートで外れるのは「空き家になったから」ではなく、勧告を受けたからです。指導(13条1項)の段階では、まだ除外の対象になっていません。
「6倍」という言い方が雑になる理由
この特例が定めているのは課税標準です。住宅用地は価格の3分の1、うち200㎡以下の部分(小規模住宅用地)は価格の6分の1とされています(349条の3の2第1項・2項)。
したがって「6分の1」は200㎡以下の部分の固定資産税の課税標準の話であって、建物分を含む納税額全体が6倍になるという意味ではありません。200㎡を超える部分、都市計画税、負担調整措置は、それぞれ別に効きます。
実際にいくら変わるかは、市区町村の課税明細で確認してください。
勧告以外の理由で外れる場合もあります
住宅用地特例は、空家法の勧告による除外とは別に、賦課期日(1月1日)にその土地が地方税法上の「住宅用地」に当たることを前提とします。現に人が住んでいないことだけで、直ちに対象外になるわけではありません。
総務省(旧自治省)の「地方税法第349条の3の2の規定における住宅用地の認定について」(平成9年4月1日付け自治固第13号)は、次のように通知しています。
「賦課期日において現に人が居住していない家屋については、当該家屋が構造上住宅と認められ、かつ、当該家屋…が居住以外の用に供されるものではないと認められる場合には、住宅とする。ただし、…客観的にみて、当該家屋について、構造上住宅と認められない状況にある場合、使用の見込みはなく取壊しを予定している場合又は居住の用に供するために必要な管理を怠っている場合等で今後人の居住の用に供される見込みがないと認められる場合には、住宅には該当しない」
個別の認定は、市区町村の課税部門に確認してください。
そして、ここは区別が必要です。勧告は、住宅用地特例に関する行政上の線引きであって、管理責任が始まる日でも、安全が保証される基準でもありません。
勧告の有無と、事故時の民事責任は別に判断される
屋根材が落ちて人や物に当たった場合に問題になるのが、民法717条です。ただし、落ちたという事実だけで責任が生じるわけではありません。条文が求めているのは「設置又は保存に瑕疵があること」によって損害が生じた、という関係です。
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
——民法717条1項
第一次的な責任は占有者にあり、占有者が必要な注意をしていたときに所有者が負う、という構造です。誰が占有者にあたるかは、居住の有無だけでなく、実際の支配・管理の状況から個別に判断されます。空き家だからといって、当てはめ方が一律に決まるわけではありません。
民法717条の適用は、勧告の有無だけでは決まりません。設置・保存の瑕疵、その瑕疵と損害との因果関係、占有者の注意などから個別に判断されます。逆に言えば、行政からまだ指摘を受けていないことだけで、安全性や責任の有無を判断することはできません。
家を残して直す方向なら、屋根の状態を見てもらうところから
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※このCTAは家を残して修理する方向を検討している方向けです。解体・現況売却を決めている場合は、工事の見積もり比較ではなく、解体業者や不動産会社が窓口になります。 ※遠方にお住まいで現地に行きにくい場合ほど、訪問してきた業者にその場で判断を委ねないでください(→ 「無料点検」から始まる屋根の点検商法)。
工事や解体の契約前に、期限が動いているものを確認する
屋根工事の時期は、危険度や天候、共有者間の合意、施工条件などで変わります。一方、相続登記と税の特例には法定の期限があります。屋根工事の検討と並行して、次の期限を確認してください。屋根の話とは別の時計で動いています。
相続登記の申請義務
- 相続により不動産の所有権を取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に申請する義務があります(不動産登記法76条の2第1項)。「死亡日から3年」ではありません
- 遺産分割により不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、その内容を踏まえた登記を申請する義務があります(同法76条の2第2項、76条の3第4項等)
- 施行日(令和6年4月1日)より前に開始した相続も対象です。法務省は、相続登記をしていない場合は令和9年3月31日まで(取得を知った日が令和6年4月以降ならその日から3年以内)に、と案内しています
- 正当な理由がないのに怠ったときは10万円以下の過料の対象です(同164条1項)。ただし自動ではありません。法務省の説明では、登記官が違反を把握した場合にまず催告し、正当な理由なく期間内に申請がされなかったときに裁判所へ通知する、とされています。相続人が極めて多数で書類収集に時間を要する場合など、「正当な理由」が認められる例も示されています
相続空き家を売る場合の特別控除
家を解体して敷地を売る、あるいは家ごと売る場合、譲渡所得の特別控除(最高3,000万円)の制度があります。屋根の話と混同しやすい点だけ挙げます。
- 控除額の上限は最高3,000万円ですが、令和6年1月1日以後に行う譲渡で、家屋と敷地等を相続または遺贈により取得した相続人の数が3人以上である場合は2,000万円までです
- 対象は昭和56年5月31日以前に建築された家屋。区分所有建物登記がされている建物は対象外
- 家屋を売る型では「譲渡の時において一定の耐震基準を満たす」ことが要件。屋根を直したこと=耐震基準を満たしたこと、ではありません。屋根の軽量化は地震に必要な力のハードルを下げますが、それだけで評点の基準に届くとは限りません(→ 瓦屋根は地震に弱いって本当?)
- 取壊しの型で求められるのは家屋の全部の取壊し等であって、屋根の撤去や一部解体ではありません
- 令和6年1月1日以後の譲渡では、売った後に間に合わせる型もあります。譲渡の時からその譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに、耐震基準を満たすこととなった場合、または家屋の全部の取壊し等を行った場合が対象に加わりました。「売る前に必ず自分で耐震改修や解体を済ませなければならない」とは限りません。誰がいつ行うかは売買の条件次第なので、契約前に不動産会社・税理士に確認してください
- 相続の時から譲渡の時まで、事業の用・貸付けの用・居住の用に供していないことが要件。方針を決めかねている間に貸すと、この要件を外れます
- 期限は相続開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで。加えて制度自体が令和9年12月31日までの譲渡が対象
- 売却代金は1億円以下。ただし1回の売買代金だけで判定するわけではありません。一体として利用していた部分を分けて売った場合や、他の相続人が売った場合は、相続の時から、この特例を使って売った日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に売却した分も合算して判定します
- 市区町村長が交付する「被相続人居住用家屋等確認書」などの書類が必要
要件は上記だけではありません
ここに挙げたのは、屋根の工事と取り違えられやすい部分だけです。適用の可否は個別事情で変わるため、国税庁 タックスアンサー No.3306 と、税務署または税理士にご確認ください。市区町村の確認書が出たからといって、適用が自動的に確定するわけではありません。
火災保険
家が無人になったときは、現在の契約先に、利用予定と管理状況を伝えて、通知の要否・契約の継続・補償内容を確認してください。空き家の扱いは商品や契約条件によって異なります。
築古の屋根では、下地と石綿の有無を先に確認する
修理・解体の工法と費用は、屋根材・下地の状態に加え、面積、勾配、形状、足場、石綿の有無などで変わります。
- 下地(野地板)が傷んでいると、カバー工法が選べないことがあります(→ カバー工法 vs 葺き替え、後悔しない選び方)
- 一定の年代のスレートには石綿が含まれる可能性があり、調査と処理の扱いが変わります(→ スレート屋根のアスベストはどうなる?)
このため、現地確認前に示される金額は概算にとどまるため、最終見積りとして単純に比較しないでください。現地調査後の見積書で、屋根材・下地の扱い・撤去処分・足場の内訳が分かれているかを確認します(→ 屋根工事の見積書はここを見る)。
判断が分かれる設例
※以下は、説明のために作成した架空の設例です。実在の人物・住宅・業者・事例ではありません。金額や築年数は説明のための仮定値です。
設例1:方針が決まるまで何もしなかったと仮定した場合
相続した実家が無人になり、きょうだい間で売るか残すかの話がつかないまま1年が過ぎたとします。その間に棟板金の一部がめくれ、台風で飛散して隣家の車庫に当たった、という想定です。方針が決まっていないこと自体は問題ではありませんでしたが、方針の未決を、屋根の未対応の理由にしてしまった点が分かれ目になります。応急措置は方針が決まる前でも選べる手でした。
設例2:方針は保留のまま、屋根だけ先に手当てしたと仮定した場合
同じく方針が決まらない状態で、まず現地を見てもらい、飛散しかけた部材の固定と雨水の入り口の養生だけを先に行ったとします。あわせて「次に見る日」を半年後に決め、相続登記の期限と、売る場合の控除の要件を確認した、という想定です。半年後に「残して貸す」と決まったときには、下地の傷みが広がっていなかったため、工事範囲は当初の見立てのままでした。
メリット・デメリット早見表
| 選択 | 良い点 | 見落とされやすい点(本音) |
|---|---|---|
| 応急措置だけ先に行う | 方針が未定でも、当面の危険箇所への対応を先行できる | 恒久的な修理ではない。劣化の進行を止められるとは限らず、次に判断する日を決める必要がある |
| 本格修理する | 使う・貸す・住むが選べるようになる。売るときの説明もしやすい | 家を残す方針が固まっていないと、直した直後に解体という判断になりうる |
| 解体する | 建物に関する管理負担を減らせる。敷地としての選択肢が広がる | 雑草・排水・境界など土地の管理は残る。住宅用地特例の前提、解体費用、売却の期限をあわせて確認する |
| 現況のまま売る | 工事費をかけずに手放せる | 屋根の状態は価格の交渉材料になる。控除を使う型によっては要件と噛み合わないことがある |
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よくある質問
Q. 空き家にすると、固定資産税は本当に6倍になりますか?
A. 空き家になったという事実だけで、直ちに6倍になるわけではありません。空家法のルートでは、13条2項または22条2項の勧告を受けた土地が、地方税法349条の3の2の「住宅用地」から除かれます。一方、賦課期日に家屋が税法上の「住宅」に該当しないと市区町村が認定するなど、勧告以外の理由で特例の前提を欠く場合もあります。また「6分の1」は200㎡以下の部分の固定資産税の課税標準の話で、建物分を含む納税額全体が6倍になるという意味ではありません。実際の額は課税明細で確認してください。
Q. 勧告を受けていなければ、屋根は放置しても大丈夫ですか?
A. 勧告を受けていないことだけで、放置してよいとは判断できません。屋根材の設置・保存の瑕疵によって他人に損害が生じた場合は、民法717条が問題になることがあります。責任の有無は、勧告の有無ではなく、瑕疵・損害・因果関係や占有者の注意などから個別に判断されます。
Q. 屋根が傷んでいると、すぐに「特定空家等」になりますか?
A. 屋根が傷んでいるだけで、自動的に特定空家等になるわけではありません。特定空家等は「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」などにあると認められる空家等をいい、市町村長(特別区は区長)が個別に判断します。また、管理不全空家等を必ず経由するわけでも、勧告からただちに解体を命じられるわけでもありません。
Q. 屋根を直せば、3,000万円の特別控除が使えますか?
A. 屋根を直したかどうかだけでは決まりません。原則の家屋売却型では、譲渡時に一定の耐震基準を満たすことが必要です。ただし、令和6年1月1日以後の譲渡には、譲渡年の翌年2月15日までに一定の耐震基準を満たすか、家屋の全部を取り壊す等の型もあります。いずれも屋根工事だけで要件を満たすとは限らず、ほかの要件もあるため、国税庁 タックスアンサー No.3306 と税務署・税理士にご確認ください。
Q. 相続登記をしていません。すぐに10万円取られますか?
A. 自動ではありません。法務省の説明では、登記官が違反を把握した場合にまず催告を行い、正当な理由なく期間内に申請がされなかったときに裁判所へ通知するとされています。「正当な理由」が認められる例も示されています。期限は原則として取得を知った日から3年、令和6年4月1日より前に開始した相続については令和9年3月31日までが案内されています。
Q. 遠方に住んでいて現地に行けません。どう進めればいいですか?
A. まず地上から撮れる範囲の写真と、天井・壁のシミの有無を記録してください。そのうえで現地調査を依頼します。訪問してきた業者にその場で判断を委ねないことと、屋根に上がる前後の写真を出してもらうことが、遠方からでもできる確認です。
まとめ
- 家の使い道が決まる前でも、落下・飛散・雨水浸入のおそれがあるなら、安全確認と応急措置の要否を先に確認する
- 選択肢は3択ではない。応急措置 / 本格修理 / 期限を決めた管理 / 解体前の安全確保 / 現況売却
- 「そのまま」を長期方針にしない。管理方法・担当者・次の確認日を決めて初めて「管理」になる
- 住宅用地特例が外れるのは、空家法ルートでは勧告を受けたとき。ただし勧告以外の理由で前提を欠く場合もあり、「6倍」という言い方も正確ではない
- 勧告は安全の基準ではない。事故時の民事責任は、勧告の有無ではなく民法717条の要件に沿って判断される
- 屋根の工事とは別の時計で、相続登記と譲渡の特例の期限が動いている
屋根は、方針が決まるのを待ってくれません。決めるべきことと、決まる前でもできることを、分けてください。
家を残す方向で決まったら、屋根の診断から
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※解体・現況売却を決めている場合の窓口は、解体業者や不動産会社です。空家等への措置や税・登記の相談先は、市区町村・税務署・法務局になります。
監修者プロフィール
屋根・外装の実務に携わる専門家(二級建築士・二級施工管理技士) 戸建て住宅の屋根・外装リフォームの調査・設計・施工管理の実務に携わる。本記事では、家の使い道を決める作業と、落下・飛散・雨水浸入への安全確認を分けて整理しています。法令の原文と公的情報に基づく一般的な解説であり、個別の商品・事業者の適合性や、最安値であることを保証するものではありません。本文では特定の1社を順位づけしていません。個別の屋根の状態や必要な対応は、現地調査でご確認ください。
※本記事の記載は2026年8月時点の条文および公表情報に基づく一般的な解説です。法令および運用は改定されるため、着工前に必ず最新の情報をご確認ください。空家等への措置の判断は市区町村が行います。相続登記は司法書士・法務局、税は税務署・税理士、保険は契約先の保険会社にご相談ください。
参考
- 空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)第2条・第13条・第22条 — e-Gov法令検索(確認日:2026年8月27日)
- 地方税法(昭和25年法律第226号)第349条の3の2(住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例)— e-Gov法令検索(同上)
- 不動産登記法(平成16年法律第123号)第76条の2・第76条の3・第164条 — e-Gov法令検索(同上)
- 民法(明治29年法律第89号)第717条 — e-Gov法令検索(同上)
- 総務省(旧自治省)「地方税法第349条の3の2の規定における住宅用地の認定について」(平成9年4月1日付け自治固第13号)— 衆議院「固定資産税の住宅用地特例に関する質問に対する答弁書」に引用された通知本文により確認(同上)
- 法務省「相続登記の申請義務化について」(確認日:2026年8月27日)
- 国税庁 タックスアンサー No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(令和7年4月1日現在法令等・確認日:2026年8月27日)
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