※本記事はプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。掲載リンクから相談・マッチングサービスに申し込むと、当サイトに紹介報酬が発生します。本文では特定の事業者を順位づけせず、報酬が発生しない確認先(手元の契約書・工程表、契約先の事業者、自治体の窓口)も併記しています。
最終更新:2026年9月11日|執筆:屋根の本音 編集部|監修:屋根・外装の実務に携わる専門家(二級建築士・二級施工管理技士)(記事末プロフィール)
🔍 この記事の結論(先にお伝えします)
- 「屋根工事は何日かかるか」は、工法だけでは決まりません。同じカバー工法でも、屋根の面積・形・下地の状態・足場の要否・天候・資材の手配で日数が変わります。工法別の日数を定めた公的資料は、本記事で確認した範囲では見当たりません。一方、工期を設定するときに考慮すべき事項(降雨日・降雪日、休日、準備と後片付けの期間)を定めた国の「工期に関する基準」(中央建設業審議会)はあり、住宅の民間工事も適用範囲です。
- 施工店から示された「○日」は、いつからいつまでを指すのかを確認してください。見るべき区別は3つ——①契約書の着手時期・完成時期(建設業法19条1項3号)、②実際に作業する日と施工しない日(同4号は「定めをするときは、その内容」)、③足場の設置・撤去の予定(公的なモデル見積では足場は「存置1カ月」で積算されている例があります。これは積算条件であって標準工期ではありません)。
- 雨天は、この予定を動かす要因です。労働安全衛生規則522条は、高さ2m以上の作業で悪天候により危険が予想されるときは事業者が作業を行わせてはならないと定めています。全雨天を一律に止める規定ではなく、施工品質上の判断は別です。止まったときに完成予定がどう変わるかは、契約書の不可抗力の定め(19条1項7号)と工程表で確認します。
- 工事中の生活(在宅の要否・駐車・洗濯物・窓・騒音・近隣への案内)は、工程ごとに違います。工程表の各段階に紐づけて、施工店に確認してください。
- 手元の契約書と工程表を読み、契約先に質問することが先です。これから契約する人は、工程表・雨天時の扱い・施工しない日・足場の存置期間を、同じ条件で複数の事業者に提示してもらうと比べられます。
「工事は○日で終わります」——屋根工事の説明で出てくる日数は、何を数えた日数なのかが示されないことがあります。屋根の上で作業する日だけなのか、足場が立っている期間なのか、雨で止まった日を含むのか。ここが曖昧なまま契約すると、雨が続いたときに完成予定・足場の撤去・追加費用を確認するための情報が不足します。
この記事では、建設業法・国の標準約款・「工期に関する基準」・労働安全衛生規則・気象庁の平年値といった公表資料をもとに、提示された日数がいつからいつまでを指すのかを読む方法と、雨で止まったときに何がどう変わるのか、そして工事中の生活を工程ごとにどう準備するかを整理します。工法別に「○日」と断言する記事ではありません。
屋根工事の日数は、何を確認すれば分かる?
日数の話は、3つの区別から始めます。
| 確認する区別 | 意味と、確認する書面 |
|---|---|
| ① 契約上の工期 | 工事に着手する時期と完成する時期。「令和○年○月○日」の暦日だけでなく、「契約の日から○日以内に着手」「着手の日から○日以内に完成」のように起算点+日数で書かれることがある。→ 契約書の工期欄 |
| ② 施工する日・しない日 | 実際に作業する日と、日曜・祝日・夜間など施工しない日・時間帯。→ 契約書(定めをする場合)と工程表 |
| ③ 足場の設置・撤去の予定 | 足場が立っている期間。屋根上の作業が終わっても、検査や板金・雨樋の工程が残っていれば足場は残る。→ 見積書(存置期間)と工程表 |
根拠:①は建設業法19条1項3号(工事着手の時期及び工事完成の時期)。国の標準約款(乙)の契約書様式も「三、工期」に着手・完成・引渡の3欄を置いています。②は同4号(工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容)と、標準約款(乙)の様式「四、工事を施工しない日/時間帯」。③は公的なモデル見積で外部足場・メッシュシートが「存置1カ月」で積算されていること(→足場代の記事)。
出典:建設業法(e-Gov法令検索)、民間建設工事標準請負契約約款(乙)(中央建設業審議会決定、改正 令和7年12月2日)、住宅リフォーム・紛争処理支援センター「屋根をカバー工法で葺き替える(戸建リフォーム見積事例)」(いずれも2026年9月11日確認)。
主語に注意してください。19条1項の主語は「建設工事の請負契約の当事者」で、書面に記載して相互に交付するのは発注者と受注者の双方です(許可の有無を問わない点は工事代金の前払いの記事で扱いました)。3号の着手・完成時期は必ず書く事項、4号の施工しない日・時間帯は「定めをするときは」書く事項で、同列ではありません。施工しない日は、施主が一方的に指定するものではなく、契約当事者が合意して定めるものです。
「何日かかるか」を聞くときは、この3つのどれを答えてもらっているのかを、その場で確かめてください。作業日数、足場の設置・撤去に要する日数、雨天予備日を説明された場合も、契約上の着手・完成時期、施工しない日、足場の設置・撤去予定を別々に確認してください。
作業する日数と足場が立つ期間は、どう違う?
屋根上の作業日数と、足場が立っている期間は、別の数字です。
- 作業する日数は、工程の内容で決まります。既存屋根材の撤去、下地(野地板)の補修、防水シート、屋根材、棟・けらばの板金、雨樋、清掃、検査。工程は一部が並行し、資材の手配や追加補修で動きます。
- 足場が立つ期間は、足場の設置日から撤去日までです。屋根上の作業が終わっても、検査・是正・板金の仕上げ・雨樋の交換が残れば、足場は残ります。
公的なモデル見積(住宅リフォーム・紛争処理支援センターの見積事例、屋根面積101.0㎡のカバー工法)では、外部足場とメッシュシートが「存置1カ月」で積算されています。これは見積の積算条件であって、「屋根工事は1か月かかる」「足場は1か月必要」という意味ではありません。存置期間が延びたときの費用の扱い(誰の負担か、日割りか)は足場代の記事で確認項目として挙げています。
なお、労働安全衛生規則518条は、高さ2m以上で墜落の危険があるときは足場を組み立てる等の方法により作業床を設けることを事業者に求め、それが困難なときは防網や墜落制止用器具などの措置を求めています。足場の要否は屋根の高さ・形状・工事内容で判断されるもので、「2m以上なら例外なく足場」という規定ではありません。
雨の日は工事が止まる?完成予定はどう変わる?
悪天候時の作業中止は誰が判断する?
労働安全衛生規則522条(悪天候時の作業禁止)は、次のように定めています。
事業者は、高さが二メートル以上の箇所で作業を行う場合において、強風、大雨、大雪等の悪天候のため、当該作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業を行わせてはならない。
出典:労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第522条(e-Gov法令検索、2026年9月11日確認)
読み取るべき点は3つです。
- 主語は事業者(施工店)です。労働者を守るための義務であって、施主が「小雨だから続けてほしい」と言って解除できるものではありません。
- 「悪天候のため危険が予想されるとき」が条件です。雨が降れば必ず休工、という規定ではありません。逆に、法の条件に当たらない天候でも、防水シートの施工や塗装のように品質上できない作業があります。「今日は施工しない」と聞いたら、安全面・品質面でどの条件が施工に影響しているか、説明を求めてください。
- 条文は作業を止めることを定めているだけで、止まった日数を工期にどう反映するかは定めていません。それは契約の領域です。
雨で止まったときの扱いは、どの書面で確認する?
雨で止まった日数の扱いは、次の2つで確認します。実際の変更には、事情の確認と当事者間の協議も関わります。
(1) 契約書の記載。建設業法19条1項7号は「天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め」を書面の記載事項としています。工期欄が「天候により変動」となっている場合は、契約本文だけでなく、採用した約款や特約も確認します。不可抗力による工期変更、損害負担、その算定方法について、どのような定めがあるかを確認してください。雨天時の連絡方法や変更手順も、契約前に確認しておく項目です。個々の中止理由をどう扱うかは、契約条件と具体的な事情に照らして確認します——すべての雨天中止が当然に不可抗力になるわけではありません(→工事代金の前払いの記事で「日付が無い工期欄」を扱っています)。
(2) 採用している約款の条項。国の標準約款(乙)は「個人住宅建築等の民間小規模工事」向けの標準約款ですが、採用するかどうかは当事者が決めるもので、自動的に適用される法律ではありません。以下は標準約款の条項の内容です。実際の契約では、採用した条項、(A)(B)の選択、変更内容や特約も確認してください。
| 条項 | 内容 | 主語 |
|---|---|---|
| 第2条 | 受注者は契約締結後、速やかに請負代金内訳書及び工程表を発注者に提出する | 受注者 → 発注者(契約締結後) |
| 第21条(A)/(B) | 不可抗力によるとき又は正当な理由があるときは、受注者は速やかにその事由を示して発注者に工期の延長を求めることができる。延長日数は受注者及び発注者が協議して定める。(B)は主要な資材の供給の著しい減少その他の工期に影響を及ぼす事象も含む。AかBを選択して使う条項 | 申出=受注者、決定=協議 |
| 第13条2項 | 発注者の都合で着手できなかった・繰延べ・中止した、前払や部分払が遅れて受注者が着手せず・中止したときは、受注者はその理由を明示して、必要と認められる工期の延長を求めることができる | 受注者 → 発注者 |
| 第19条 | 発注者が工期を変更するときは、通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間としてはならない | 発注者 |
出典:民間建設工事標準請負契約約款(乙)(2026年9月11日確認)
つまり、標準約款を採用している契約でも、雨で止まった日数がそのまま自動で工期に足されるわけではありません。受注者が事由を示して延長を求め、日数は協議で決まります。契約書にこの約款が採用されているか、採用している場合はどの条項をどう変更・選択しているか、採用していないなら代わりに何が書かれているかを、契約前に見ておいてください。
「雨の日を見込んで工期を決める」のが国の基準
中央建設業審議会が建設業法34条2項に基づいて決定した「工期に関する基準」(令和2年7月20日決定、令和6年3月27日最終改定)は、公共・民間を問わず、住宅を含むあらゆる建設工事と、発注者・受注者・下請人を対象としています。戸建ての屋根工事も、この範囲に入ります。
同基準の第2章「工期全般にわたって考慮すべき事項」は、工期の設定・見積りに当たって考慮する自然要因として「降雨日・降雪日(雨休率の設定 等)」「猛暑日」「寒冷・多雪地域における冬期休止期間」などを挙げ、「必要に応じて、受発注者間及び元下間で協議して工期に反映する」としています。参考として、国土交通省発注の土木工事では「施工に必要な実日数に雨休率を乗じた日数を『降雨日』として設定」する考え方も示されています(これは公共の土木工事の例で、住宅の屋根工事の基準値ではありません)。
また第3章は、工期を準備・施工・後片付けの3段階に分け、準備段階では資材調達・人員確保、後片付けでは清掃等に必要な時間を考慮するとしています。工期の設定・見積りでは、降雨・降雪などの自然条件、休日、準備・施工・後片付けに必要な期間を、個々の工事に応じて考慮する——必要に応じて当事者間で協議して反映するもので、全降雨日を別枠で加算する基準でも、屋根の工法別標準日数を示す資料でもありません。施工店から示された日数にこれらが含まれているかを、この基準の項目に沿って聞くことができます。
平年値は「予備日の相談」に使う
雨で止まる日を事前に確定することはできませんが、地域と季節の気候は公表データで分かります。気象庁の平年値(1991〜2020年の30年平均)から、東京の月別の降水日数(日降水量1.0mm以上)を例として示します。
| 月 | 降水日数(≧1.0mm、日) | 月 | 降水日数(≧1.0mm、日) |
|---|---|---|---|
| 1月 | 4.5 | 7月 | 10.5 |
| 2月 | 5.2 | 8月 | 7.9 |
| 3月 | 9.2 | 9月 | 11.0 |
| 4月 | 9.5 | 10月 | 10.5 |
| 5月 | 10.1 | 11月 | 7.4 |
| 6月 | 11.6 | 12月 | 5.2 |
出典:気象庁「東京(東京都) 平年値(年・月ごとの値)詳細(気圧・降水量)」統計期間1991〜2020年、日降水量1.0mm以上の日数(2026年9月11日確認)。気象庁が公表する年の平年値は102.5日です(表に掲載した月別表示値の単純合計とは一致しません)。東京の値であり、全国の値ではありません。同じページで地点を選べば、お住まいの地域の値を確認できます。
降水日数を「工事が止まる日数」に読み替えないでください
平年値の降水日数は、夜間だけ降った日も、もともと施工しない日曜日も含みます。作業時間中に危険が予想される天候だったかどうかは、この数字からは分かりません。「6月なら11.6日止まる」「10日の工事なら4日足す」といった換算はできません。
この表の使い道は、予備日をどれくらい見込むかを施工店と相談する材料です。「この時期なら雨天予備日を何日見ていますか」「予備日は当初の完成予定に含まれていますか」と聞くための背景資料として使ってください。
なお台風の接近など荒天が予想されるときは、工程表に加え、飛散防止のシートや資材の固定、養生の確認、荒天時の連絡方法を施工店がどう行うかも着工前に確認しておいてください(→台風から屋根を守る記事)。
工程表はどう読む?架空の設例で確認すると?
工程表を受け取ったら、日数の数え方を確認します。
検算:暦日・作業日・休工日・予備日を分けて数える
「着手から14日以内に完成」と書かれた契約で、工程表が「作業8日、日曜休工2日、雨天予備日2日、足場の設置・撤去に各1日」だったと仮定します。
– 作業日:8日(屋根上の作業)
– 休工日:2日(施工しない日として定めた日曜)
– 予備日:2日(雨天で止まった場合に充てる日)
– 足場:設置1日+撤去1日=2日(作業日の前後)
合計は 8+2+2+2=14日で、契約書の「14日以内」と一致します。ここで確認するのは、予備日が当初の完成予定に含まれているか、雨で止まった工程を移しても契約上の完成期限に収まるか、足場の設置・撤去日が作業日と別に数えられているか、休工日が施工しない日の定めと一致しているかです。
⚠️ この検算で確認できるのは日数の合計です。8日という作業日数の根拠は、施工店に工程ごとの作業内容、人数、施工・養生条件などを説明してもらって確認します。他社の工程表を同じ条件で比較することも確認方法の一つですが、それだけで日数の妥当性が確定するわけではありません。
架空の工程表(工程表の読み方を示すための設例)
※以下は、工程表の読み方を示すために作成した架空の工程表です。上の検算と同じ設例で、着手日を1日目とする14暦日、火曜着手と仮定します。説明のため、屋根作業と足場作業を別の日に行い、工程の重複はないものとします。日数は説明のための仮定値で、標準工期でも目安でもありません。工法どうしの速さの比較には使えません。
| 暦日(曜日も仮定) | 区分 | 工程(仮定) | 在宅・生活への影響(確認する項目) |
|---|---|---|---|
| 1日目(火) | 足場 | 足場の設置、メッシュシート | 駐車スペースの確保、窓・エアコン室外機まわりの養生、近隣への案内が済んでいるか |
| 2日目(水) | 作業 | 既存の棟板金・屋根材の撤去、清掃 | 粉じん、洗濯物、窓の開閉、廃材の一時置き場 |
| 3日目(木) | 作業 | 下地の点検・補修 | 追加補修が出た場合の連絡方法と費用の扱い |
| 4日目(金) | 作業 | 防水シート | 雨天・強風なら中止になり得る工程 |
| 5日目(土) | 作業 | 屋根材の施工(1) | 騒音の時間帯、作業時間 |
| 6日目(日) | 休工 | 施工しない日(契約で定めた日曜) | — |
| 7〜8日目(月・火) | 作業 | 屋根材の施工(2)(3) | 騒音の時間帯、作業時間 |
| 9日目(水) | 作業 | 棟・けらばの板金、雨樋 | 個別確認 |
| 10日目(木) | 作業 | 清掃、施工店の検査、写真 | 写真の提出(→見積書の見方の記事) |
| 11〜12日目(金・土) | 予備 | 雨天予備日 2日 | 使わなかった場合に完成予定が前倒しになるか |
| 13日目(日) | 休工 | 施工しない日(日曜) | — |
| 14日目(月) | 足場 | 足場の撤去、引渡し(この設例では同日と仮定) | 立会い、引渡し書類、保証書の日付(→保証の記事) |
作業8日(2〜5日目、7〜10日目)+休工2日+予備2日+足場2日=14日で、検算と対応しています。
この表を受け取ったら、工程表の着手・完成・引渡しの予定を、契約書の対応する項目と照合してください。着手・完成・引渡しは別の時点なので、それぞれ対応する欄と見比べます。完成予定が契約上の完成期限を超えていないか、足場撤去の予定はいつかも確認します。記載が食い違う場合は、その理由と必要な修正を施工店に確認してください。
まず手元の書面を確認し、契約済みなら契約先に質問してください。これから契約する人が他社の提案も比較したい場合は、同じ工事条件で工程表の案、雨天時の扱い、施工しない日、足場の設置・撤去予定を示せるか相談する方法があります。
🛡️ 【PR】まず屋根の状態を相談してみる
屋根の状態・必要な工事・概算費用を、複数の事業者に同じ内容で相談できます。サービスの利用は無料で、合わなければ断ってOK。提示された工事の範囲・費用の内訳・保証の条件を並べて確認してください。
※本リンクはアフィリエイト広告です。マッチングサービス上での依頼・提案の受信・メッセージの利用は無料です。ただし事業者が見積作成料や現地調査費を設定する場合があるため、訪問前に費用の有無をご確認ください(工事を契約した場合は工事費がかかります)。
※マッチングサービスの利用は、工程表の提供、短納期、予定どおりの施工を保証するものではありません。事業者が見積作成料や現地調査費を設定する場合があるため、訪問前に費用の有無を確認してください。合わなければ断って構いません。
同じ雨が続いても、契約書と工程表で確認できることはどう違う?
※以下は、雨天時の扱いの違いを説明するために作成した架空の設例です。会話部分を含め、実在の人物・住宅・業者・契約事例ではありません。日数や金額は説明のための仮定値です。2つの設例は同じ天候条件で、「遅れたかどうか」ではなく「変更後の予定・連絡方法・費用負担を確認できるかどうか」の差を見るためのものです。
設例1:着手日だけが決まっている契約で、雨が続いたと仮定した場合
6月上旬に着工する契約で、契約書の工期欄に着手日は書かれているものの、完成時期は「天候により変動」とだけあり、施工しない日の定めも、不可抗力による工期変更の定めも、工程表もなかったと仮定します。着工から3日間は作業が進み、4日目から5日間、作業時間中に大雨と強風が続いて屋根上の作業が止まったとします。
この設例では、施主の側から確認できることが限られます。完成が「いつからいつまで」延びるのかを照らす基準(暦日、または起算点+日数)が契約書にありません。止まった5日間が予備日の範囲なのか、延長として扱われるのかを判断する定めもありません。足場の存置が延びた場合の費用の扱いも書かれていません。手元の資料だけでは確認できないため、停止理由・残工程・完成見通しの説明を書面で求めることになります。
この設例の問題は、完成時期を暦日でも起算点と日数でも特定できず、不可抗力による工期変更の定めもないことです(建設業法19条1項3号・7号は、着手・完成の時期と、不可抗力による工期の変更・損害の負担の定めを書面の記載事項としています)。施工しない日の定めがないことだけで、同4号への違反と判断するものではありません。
設例2:完成時期・施工しない日・工程表がある契約で、同じ雨が続いたと仮定した場合
同じ6月上旬の着工で、契約書に「着手の日から14日以内に完成」「日曜は施工しない」と書かれ、標準約款(乙)を採用し、契約後に受け取った工程表に「作業8日、日曜休工2日、雨天予備日2日、足場の設置・撤去各1日」と書かれていたと仮定します。同じく4日目から5日間、作業が止まったとします。
この設例では、まず5日間のうち、もともとの休工日(日曜)を除いて、どの作業が何日止まったかを確認します。そのうえで、予備日や工程の組み替えで当初の完成期限に収まるかを施工店が検討します。延長が必要な場合は、採用した約款の定めに従い、受注者(施工店)が事由を示して申し出て、延長日数を双方で協議します(約款21条)。この設例の情報だけでは、延長日数は確定できません。
足場の存置期間は見積書で確認し、延長費用の有無・負担者・算定方法は契約書、採用した約款、特約で確認します。変更が必要な事項は双方で協議し、合意内容を書面に残します。受注者には、その内容に合わせた工程表の更新を求めます。
この設例でも工事は止まっています。違いは、止まったときに「どの手順で、誰の申出で、何を協議し、費用は何で確認するか」を、施主が契約書と工程表で辿れるかどうかです。工程表があれば遅れない、という話ではありません。
工程表を用意する利点と、確定できないことは?
短所を先に書きます。工程表があっても、天候・下地の状態・資材の手配で予定は動きます。
| 工程表で分かること・できること | 工程表では確定しないこと |
|---|---|
| 作業日・休工日・予備日・足場の設置撤去日の数え方 | 実際に雨で止まる日数(平年値は参考資料にすぎない) |
| 契約書の工期欄(起算点+日数)との整合 | 作業日数の妥当性(工事内容・面積・下地で決まる) |
| 工程ごとの生活への影響を事前に確認できる | 下地を開けて初めて分かる追加補修の有無と日数 |
| 遅れたときにどの工程が残っているかを共有できる | 変更後の予定(当初の工程表だけでは確定できない) |
※建設業法および標準約款の記載事項を踏まえ、確認できることと確定できないことを編集部で整理したものです。
ここで引用している標準約款(乙)第2条が定めているのは、契約締結後、速やかに受注者が工程表を提出することです。契約前に工程表の案を求めることは、当サイトが比較のために勧めている確認手順です。この点を分けて理解したうえで、契約前の相談で「工程表の案」を求めてください。
🛡️ 【PR】まず屋根の状態を相談してみる
屋根の状態・必要な工事・概算費用を、複数の事業者に同じ内容で相談できます。サービスの利用は無料で、合わなければ断ってOK。提示された工事の範囲・費用の内訳・保証の条件を並べて確認してください。
※本リンクはアフィリエイト広告です。マッチングサービス上での依頼・提案の受信・メッセージの利用は無料です。ただし事業者が見積作成料や現地調査費を設定する場合があるため、訪問前に費用の有無をご確認ください(工事を契約した場合は工事費がかかります)。
※マッチングサービスの利用は、工程表の提供、短納期、予定どおりの施工を保証するものではありません。事業者が見積作成料や現地調査費を設定する場合があるため、訪問前に費用の有無を確認してください。工事の範囲・費用の内訳・保証の条件も並べて確認し、提案を受けたうえで見送っても構いません。
工事中は在宅が必要?駐車・洗濯物・窓はどうする?
生活への影響は、工程ごとに違います。「在宅は不要です」「普段どおり暮らせます」といった一括の答えではなく、工程表の各段階について施工店に聞いてください。
| 工程 | 在宅・立会いが関わる場面 | 生活で確認すること |
|---|---|---|
| 足場の設置・撤去 | 設置位置と養生の確認 | 駐車スペース・車両の出入り、エアコン室外機・給湯器・窓まわりの養生、玄関の動線、防犯(足場が立つ期間の施錠) |
| 既存屋根材の撤去 | 個別確認 | 粉じんと洗濯物、窓の開閉、廃材の一時置き場と搬出日。スレートに石綿(アスベスト)が含まれる場合は別の手順(→スレートのアスベストの記事) |
| 下地の点検・補修 | 追加補修の判断を求められることがある | 連絡方法(電話・写真)、追加費用の扱いと承認の手順 |
| 防水シート・屋根材・板金 | 個別確認 | 騒音の時間帯、作業開始・終了の時刻、天窓・太陽光パネルがある場合の脱着(→太陽光が載った屋根の記事) |
| 塗装(該当する場合) | 個別確認 | 高圧洗浄の水と音、塗料のにおい、換気・窓の開閉(→屋根塗装の記事) |
| 清掃・検査・写真・引渡し | 引渡しの立会い、書類の受領 | 施工写真、引渡し書類、保証書の日付、残材・廃材の撤去確認 |
※この表は在宅の要否を判定するものではありません。屋内作業を伴わない工程についても、立会いの必要性、不在時の連絡方法、追加工事の承認方法を施工店に確認してください。
在宅が必要かどうかは、工程と施工店の運用で変わります。下地の追加補修の判断、天窓や小屋裏の点検、引渡しの立会いは、施主の判断や確認が関わります。「この工程では在宅が要りますか」「不在の場合の連絡方法は」を、工程表に沿って一つずつ確認してください。
施工店がトイレ・水道・電源をどう確保するか、資材をどこに置くかも着工前に確認します。自宅の設備を使う場合は、使用する範囲・時間帯・費用負担・使用後の確認方法を、施工店と事前に決めてください。
騒音や近隣への案内は、誰と何を決める?
屋根工事の騒音には、どんな規制がある?
騒音規制法の「特定建設作業」は、政令の別表で使用する機械によって定められています(くい打機、びょう打機、さく岩機、電動機以外の原動機を用いる定格出力15kW以上の空気圧縮機、コンクリートプラント等、一定出力以上のバックホウ・トラクターショベル・ブルドーザーを使用する作業)。
ただし、この表に名前が無いことだけでは、自宅の工事に規制が掛からないとは言えません。自治体の条例で対象や時間帯が別に定められていることがあります。例として、習志野市の環境保全条例では、国の騒音規制法施行令の別表第二に名称がないインパクトレンチを使用する作業も対象として挙げられています(法の特定建設作業に該当するものは除く、という整理です)。市条例の対象となる作業には、原則として午前8時〜午後6時の時間帯内で1日8時間以内、日曜・休日は行わない、連続6日を超えない等の基準があり、周辺住民への説明(工期・工事担当者の連絡先を明確にする)が届出の条件とされています。対象の区分と例外は、市の案内で確認してください(同市ホームページ、2026年9月11日確認)。
したがって確認の仕方は、「屋根工事に規制はあるか」ではなく、「この工事で使う機械は何か、作業時間帯はいつか、この自治体のルールに該当するか」を施工店に聞くことです。ここで扱う特定建設作業の届出については、対象に該当するかと、届出の担当を施工店に確認します(届出は工事を施工する側が行う手続きで、施主が届け出るものではありません)。
近隣への案内は「誰が・いつ・何を」を契約前に決める
近隣への案内は、法で一律に義務づけられたものではありません(条例で説明を条件とする自治体がある点は上記のとおり)。だからこそ、誰が(施工店か施主か両方か)・いつ(着工の何日前か)・何を(工期、作業時間帯、足場の期間、粉じんや騒音が出る工程、連絡先)伝えるかを、契約前に施工店と決めておく項目になります。
契約書の「工事を施工しない日又は時間帯」(19条1項4号)を定めるなら、近隣への案内内容とも整合させます。日曜は施工しない、作業は何時から何時まで、と決めたことがそのまま案内文の内容になります。
よくある質問
Q. 屋根工事は何日かかりますか?
A. 工法だけでは決まりません。屋根の面積・形・下地の状態・足場の要否・天候・資材の手配で変わり、工法別の日数を定めた公的資料は本記事で確認した範囲では見当たりません(国の「工期に関する基準」は、降雨日・休日・準備・後片付けを含めて工期を設定するという考慮事項を定めたもので、屋根の工法別標準日数を示す資料ではありません)。施工店から示された日数が「屋根上の作業日」「足場が立っている期間」「雨天予備日を含む工期」のどれを指すのかを確認し、工程表の着手・完成・引渡しの予定を契約書の対応する項目(建設業法19条1項3号の着手時期・完成時期など)と照合してください。
Q. 雨の日は屋根工事は必ず休みになりますか?
A. 労働安全衛生規則522条は、高さ2m以上の作業について、強風・大雨・大雪等の悪天候のため危険が予想されるときは事業者が作業を行わせてはならないと定めています。主語は事業者(施工店)で、施主の判断で解除できるものではありません。一方、全雨天を一律に止める規定ではなく、防水シートや塗装のように品質上できない作業は法の条件と別に判断されます。止まった日数が工期にどう反映されるかは、契約書の不可抗力の定め(19条1項7号)と採用している約款で確認します。
Q. 雨で工事が延びたら、工期は自動的に延長されますか?
A. 国の標準約款(乙)を採用している契約では、不可抗力によるときや正当な理由があるときに、受注者(施工店)が事由を示して発注者に工期の延長を求めることができ、延長日数は受注者と発注者が協議して定めます(第21条)。自動的に延びる仕組みではありません。標準約款は採用が任意なので、契約書にその約款が採用されているか、採用していない場合は工期変更の定めがどう書かれているか(建設業法19条1項7号)を確認してください。
Q. 工程表は契約前にもらえますか?
A. 国の標準約款(乙)第2条が定めているのは、契約締結後、速やかに受注者が工程表を提出することです。契約前に工程表の案を求めることは、当サイトが比較のために勧めている確認手順です。契約前の相談で「工程表の案」「雨天予備日の有無」「足場の設置・撤去の予定」を書面で示してもらえるかを聞き、示された内容を契約書の工期欄と照らしてください。
Q. 工事中は家にいないといけませんか?
A. 工程と施工店の運用で変わります。屋内作業を伴わない工程についても立会いの必要性は個別に確認が必要で、下地の追加補修の判断、天窓や小屋裏の点検、引渡しの立会いは施主の判断や確認が関わります。工程表の各段階について「在宅が要るか」「不在時の連絡方法」「追加補修が出た場合の承認の手順」を確認してください。駐車スペース、洗濯物と粉じん、窓の開閉、騒音の時間帯、廃材の一時置き場も工程ごとに違います。
Q. 近所への挨拶は誰がするものですか?
A. 法で一律に義務づけられたものではありませんが、自治体の条例で特定建設作業に該当する場合に周辺住民への説明を条件としている例があります(習志野市など)。誰が(施工店・施主・両方)、いつ(着工の何日前)、何を(工期、作業時間帯、足場の期間、粉じんや騒音が出る工程、連絡先)伝えるかを、契約前に施工店と決めてください。契約書で「工事を施工しない日又は時間帯」を定めるなら、その内容を案内文と揃えます。
まとめ
- 屋根工事の日数は工法だけでは決まらず、工法別の日数を定めた公的資料は本記事で確認した範囲では見当たりません。国の「工期に関する基準」は、降雨日・休日・準備・後片付けを含めて工期を設定するという考慮事項を定めています。示された「○日」がいつからいつまでかを確かめてください。
- 見る区別は3つ——契約書の着手・完成時期(建設業法19条1項3号、起算点+日数の表現も含む)、施工する日・しない日(同4号は定めをする場合の記載事項)、足場の設置・撤去の予定(モデル見積の「存置1カ月」は積算条件であって標準工期ではない)。
- 雨で止まる根拠は事業者の安全義務(労働安全衛生規則522条)で、全雨天一律ではなく、品質上の判断は別。止まった日数の扱いは契約書の不可抗力の定め(19条1項7号)と工程表で決まり、標準約款(乙)なら受注者が延長を求め、日数は協議。
- 気象庁の平年値は予備日の相談材料であり、この表だけから個別工事の中止日数へ直接換算することはできません。
- 工事中の生活は工程ごとに確認します。在宅の要否、駐車、洗濯物、窓、騒音の時間帯、廃材、引渡しの立会い。
- 騒音・近隣は「使う機械・作業時間帯・自治体のルール」を施工店に確認し、案内は「誰が・いつ・何を」を契約前に決めます。
🛡️ 【PR】まず屋根の状態を相談してみる
屋根の状態・必要な工事・概算費用を、複数の事業者に同じ内容で相談できます。サービスの利用は無料で、合わなければ断ってOK。提示された工事の範囲・費用の内訳・保証の条件を並べて確認してください。
※本リンクはアフィリエイト広告です。マッチングサービス上での依頼・提案の受信・メッセージの利用は無料です。ただし事業者が見積作成料や現地調査費を設定する場合があるため、訪問前に費用の有無をご確認ください(工事を契約した場合は工事費がかかります)。
※マッチングサービスの利用は、工程表の提供、短納期、予定どおりの施工を保証するものではありません。事業者が見積作成料や現地調査費を設定する場合があるため、訪問前に費用の有無を確認してください。提案を受けたうえで見送っても構いません。
監修者プロフィール
屋根・外装の実務に携わる専門家(二級建築士・二級施工管理技士) 戸建住宅の屋根・外装の調査、改修計画、施工管理に携わる実務者。本サイトでは、見積書や契約書に出てくる言葉と、法令・公的資料の定義を突き合わせて読めるようにすることを目的に記事を監修しています。 本記事は、建設業法・労働安全衛生規則・騒音規制法施行令の条文、中央建設業審議会が決定した標準請負契約約款および「工期に関する基準」、気象庁の平年値、自治体および公的機関が公開している資料に基づいて構成しています。実際の工期は工事の内容・屋根の状態・天候・資材の手配・契約条件によって異なります。個別の契約の妥当性や、特定の事業者の適合性、最安値であることを保証するものではありません。
参考
- 建設業法|e-Gov法令検索 — 第19条第1項第3号・第4号・第7号(請負契約の書面記載事項)、第34条第2項(中央建設業審議会)
- 民間建設工事標準請負契約約款(乙) — 平成22年7月26日 中央建設業審議会決定、改正 令和7年12月2日。契約書様式「三、工期」「四、工事を施工しない日/時間帯」、第2条(請負代金内訳書及び工程表)、第13条、第19条、第21条(A)(B)(工期の変更)
- 工期に関する基準 — 令和2年7月20日 中央建設業審議会決定(令和6年3月27日最終改定)。第1章(5)適用範囲、第2章(1)自然要因(降雨日・降雪日、雨休率)、第3章(準備・施工・後片付け)
- 労働安全衛生規則|e-Gov法令検索 — 第518条(作業床の設置等)、第522条(悪天候時の作業禁止)
- 気象庁「東京(東京都) 平年値(年・月ごとの値)詳細(気圧・降水量)」 — 統計期間1991〜2020年、降水日数(日降水量1.0mm以上)
- 騒音規制法施行令|e-Gov法令検索 — 別表第二(特定建設作業)
- 習志野市「【届出制になりました】特定建設作業関係」 — 市環境保全条例の特定建設作業(インパクトレンチ等)、規制基準(午前8時〜午後6時・日曜休日は行わない 等)、周辺住民への説明の条件(2026年9月11日確認)
- 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター「屋根をカバー工法で葺き替える(戸建リフォーム見積事例)」 — 外部足場・メッシュシート「存置1カ月」の積算条件
関連記事
- 屋根工事の足場代は削れる?公的なモデル見積の単価と「足場なし」と言われたときの確認点
- 屋根工事の代金はいつ払う?前払い・中間金・完成払いを契約書で確認する5項目
- 屋根工事の見積書の見方|相見積もりで揃える項目と危険な「一式」
- カバー工法 vs 葺き替え、後悔しない選び方
- 屋根工事の「10年保証」は何を保証する?
- 屋根面積の出し方|図面・軒の出・勾配から見積書の㎡を概算する

コメント