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屋根の葺き替え中に下地の腐朽が見つかったら?野地板・垂木と確認申請、契約前に決めておくこと【プロが解説】

葺き替え途中の瓦屋根で、瓦と防水シートの一部がはがされ、野地板の一角が変色し、その下に垂木が並んでいる様子。手前に丸めたシート、右側でスマートフォンの写真と書類を見比べる人物。葺き替え中に見つかった下地の腐朽と確認申請を確かめるイメージ

※本記事はプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。掲載リンクから相談・マッチングサービスに申し込むと、当サイトに紹介報酬が発生します。本文では特定の業者を順位づけせず、当サイトに報酬が発生しない確認先(特定行政庁の建築指導の窓口、建築士、国土交通省の公表資料)も併記しています。確認申請の要否は、個別の計画ごとに建築士や特定行政庁等に確認するもので、本記事はその判断に代わるものではありません。
最終更新:2026年10月6日|執筆:屋根の本音 編集部|監修:屋根・外装の実務に携わる専門家(記事末プロフィール)

🔍 この記事の結論(先にお伝えします)

  • 屋根材を剥がしてから下地の腐朽が分かることはあります。追加の提案は写真・交換範囲・数量・単価で確かめます。
  • 2階建ての木造住宅など確認申請の対象となる建物で、変更後の計画が大規模の修繕・模様替に当たる場合は、工事を止めて確認申請が必要です(国のQ&A)。
  • 野地板の張り替えは、それだけで申請が要るとも要らないとも国は示していません。計画ごとに建築士・特定行政庁等へ確認します。
  • 契約前に連絡方法・範囲の承認・申請の段取り・中断中の雨養生を書面で決めておきます。

「葺き替えの途中で『野地板が腐っていました』と言われたらどうなるのか」「2025年の法改正で、下地まで替えると確認申請が要ると聞いた」——屋根の葺き替えを考えると、こうした不安が出てくると思います。

葺き替えでは、既存の屋根材を外して初めて下地の状態が見えます。下地の傷みが広ければ、追加の補修を提案されることがあります。そして2025年4月からは、2階建ての木造住宅などで、腐朽を受けて変えた改修計画が大規模の修繕・模様替に当たると、建築確認の手続きが必要になります。

この記事では、建築基準法の条文と、国土交通省の通知・解説事例集・質疑応答集(令和8年8月6日時点)をもとに、下地の腐朽が見つかったときに何が起きるのか、確認申請の話になるのはどんな場合か、契約前に何を決めておけばよいのかを整理します。

目次

屋根を剥がしてから、下地の腐朽が分かるのはなぜ?

屋根は、表面の屋根材の下に、防水シート(ルーフィング)、その下の野地板(合板など)、さらにそれを支える垂木や小屋組が重なってできています。雨水が屋根材の下に回り込んで野地板や垂木を傷めていても、屋根材を外すまでは見えないことがあります。

そのため、葺き替えの見積書には、下地の補修が「別途」「必要に応じて」として書かれることがあります。下地が見えてから追加の補修を提案されること自体はありえますが、提案があったことだけで不正かどうかは判断できません。写真・交換範囲・数量・単価で確かめます。層の構造と傷み方は→屋根の防水シート(ルーフィング)とは?、下地の傷みとカバー工法の可否は→カバー工法 vs 葺き替えで解説しています。

問題は、見つかった腐朽をどこまで直すかによって、工事の手続きそのものが変わる場合があることです。

下地をどこまで替えると、確認申請の話になる?

確認申請が必要かどうかは、「葺き替え」という工事の名前では決まりません。①建物、②交換の範囲、③面積の3つを順に確認します。ここでは、木造一戸建てで屋根の工事だけを行う場合を前提に説明します。

①建物:2階建て以上か、延べ面積200㎡を超えるか

建築基準法6条1項は、同項2号の建築物(2以上の階数を有し、または延べ面積が200㎡を超える建築物)について「大規模の修繕」「大規模の模様替」をしようとするときは、工事に着手する前に確認を受け、確認済証の交付を受けなければならないと定めています。2号の建築物の大規模の修繕・模様替に関するこの確認の義務は、都市計画区域等の内か外かだけで分かれるものではありません。

2025年4月の改正で、これまで「4号建築物」として大規模の修繕でも確認申請が不要だった木造2階建てなどが、この2号(いわゆる新2号建築物)に入りました。国土交通省のチラシは、2階建ての木造戸建て等で行う大規模なリフォームで、2025年4月以降に工事に着手するものは、事前に建築確認の手続きが必要になると案内しています。

一方、木造平家で延べ面積200㎡以下の住宅は、大規模の修繕・模様替だけなら確認申請の対象になりません(新築・増築などの「建築」をする場合とは扱いが違います)。

対象範囲の注意
店舗併用住宅などの特殊建築物、増築や用途変更を伴う工事、木造以外の建物は、この記事の流れだけで判断しないでください。木造以外の2階建てなどは、改正前から大規模の修繕・模様替が確認の対象でした。

②交換の範囲:屋根ふき材だけか、下地・構造まで替えるか

「大規模の修繕」は、建物の主要構造部(壁・柱・床・はり・屋根・階段)の一種以上について行う過半の修繕です(建築基準法2条14号)。屋根の工事がこれに当たるかについて、国土交通省は技術的助言(国住指第355号)と事例集・Q&Aで次のように示しています。

交換の範囲国の資料の示し方出典
屋根ふき材だけを替える大規模の修繕・模様替には該当しないものと取り扱って差し支えない。屋根ふき材の材料にかかわらず(瓦から金属へ替える場合も)確認申請は不要国住指第355号/質疑応答集 問9
カバー工法(既存の屋根の上に新しい屋根をかぶせる)大規模の修繕・模様替には該当しないものと取り扱って差し支えない国住指第355号/解説事例集
野地板(合板)まで張り替える国の資料だけでは一律に要否を決められない。Q&A は「該当しない屋根の改修の例」に合板が含まれないと示したが、合板を替えれば確認申請が必要とは示していない。「図はあくまでも例。実情に応じて判断」質疑応答集 問10
垂木まで替える改修範囲が垂木にまで及ぶ改修で、総水平投影面積の過半となる場合は建築確認が必要、という例解説事例集
屋根を構成する全ての材を替えるその改修部分の総水平投影面積が過半なら、大規模の修繕・模様替に該当国住指第355号 参考資料

注意したいのは野地板の行です。国の Q&A は、野地板(合板)が「確認申請が不要とされた改修の例」に含まれないことを示しました。しかし、野地板を張り替えたという事実だけで確認申請が必要になる、とも示していません。また、事例集の「垂木にまで及ぶ」は確認が必要になる例であって、ここが法令上の境界線だと定めたものではありません。

野地板の張り替えを含む計画は、どこまで替えるのか・どれだけの面積かを整理し、早い段階で建築士や特定行政庁(建築指導の窓口)等へ確認します。事例集も、判断がつかない場合は特定行政庁に相談するよう案内しています。

なお、355号は国土交通省から都道府県への技術的助言で、法律の条文そのものではありません。「法律で屋根工事が一律に除外された」という意味ではない点も押さえておいてください。

③面積:屋根の総水平投影面積の「過半」か

屋根の「過半」は、屋根の総水平投影面積に占める割合で判断します(質疑応答集 問8)。過半は50%を超えることです。

大規模の修繕・模様替の判定対象となる改修部分の総水平投影面積 ÷ 屋根全体の総水平投影面積 > 1/2 なら「過半」
(例:屋根全体の水平投影面積が80㎡なら、40㎡ちょうどは半分で、40㎡を超えると過半)

見積書の屋根の㎡は、傾いた屋根面の面積(水平投影面積 × 勾配係数)で書かれていることがあります。勾配の違う屋根が混ざると割合がずれるので、面積の出し方は→屋根面積の出し方で確認してください。

この面積の判定に進むのは、まず交換が屋根の修繕・模様替に当たる場合です。屋根ふき材だけを替える工事は、全面の改修であっても、その工事だけを理由に大規模の修繕・模様替に当たらない取扱いです。

腐朽が見つかったとき、確認できている進め方と危うい進め方

確認できている進め方危うい進め方
腐朽の範囲を写真と図で示し、交換する層(野地板か、垂木までか)と面積を説明する「全部替えたほうがいい」と口頭で言われ、範囲も面積も示されない
建築士が建物・交換範囲・面積を整理し、判断がつかない場合に特定行政庁や申請予定の確認検査機関へ確認する段取りが決まっている申請の要否が話題にならないまま、交換範囲が広がっていく
交換範囲を書面で示し、施主の承認を得てから着手する。確認申請が必要な工事は、確認済証の交付後に着手する承認の前に交換が進み、後から金額だけ伝えられる
工事を止める場合の雨養生と、再開の条件が決まっている屋根を開けたまま、次の段取りが決まらない

追加工事の単価・写真報告・承認・上限を契約前に決める方法は→屋根工事の見積書の見方で詳しく整理しています。

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工事の途中で確認申請が必要になったら、どうなる?

国土交通省の質疑応答集(問11)は、「当初は屋根ふき材のみの改修を計画していたが、屋根ふき材を剥がした段階で下地材の腐朽が判明し、大規模の修繕・模様替に該当する規模の改修を行うことになった場合、工事を中断し、確認申請が必要か」という問いに、「貴見のとおり」と答えています。腐朽が見つかったことや、交換の面積だけで決まるという意味ではなく、変更後の計画が大規模の修繕・模様替に当たる場合の回答です。

建築基準法6条8項は、同条1項により確認を受けなければならない建物の大規模の修繕・模様替について、確認済証の交付を受けた後でなければ工事をしてはならないと定めています。つまり、確認申請が必要な建物・工事では、確認済証が出るまで、その工事は進められません。

確認申請では、次のような準備が必要になります。

  • 既存の建物の調査——大規模の修繕でも、建物全体の法適合状況を確認するため、提出する図書は基本的に新築時と同様の一式とされています(質疑応答集 問15)。新築時などの検査済証があれば、既存部分の調査を簡略化できます(問16)
  • 建築士による設計・工事監理——延べ面積が100㎡を超える建物で大規模なリフォームを行う場合は、建築士による設計・工事監理が必要です(国交省チラシ、建築基準法5条の6。都道府県が別に面積等を定めている場合があります)
  • 工事完了後の検査——国土交通省の手続の表では、2号建築物の大規模の修繕・模様替は、建築確認とあわせて完了検査(特定行政庁が指定する場合は中間検査)の対象です

費用と期間は、建物の状態・図書の有無・審査機関によって変わるため、ここでは目安の数字を示しません。申請先の最新の手数料表と、建築士等からの項目別の見積書を確認してください。工程は、現況調査・図書の作成・事前相談・確認審査・検査・中断中の養生に分けて示してもらいます。工期の書き方は→屋根工事は何日かかる?、代金の支払時期は→屋根工事の代金はいつ払う?で確認できます。

確認申請が必要でも、家全体を一律に耐震改修するわけではない

確認申請が必要になったからといって、基礎や耐力壁を一律に現行の耐震基準まで改修するという意味ではありません。

建物が構造の規定(建築基準法20条)について既存不適格であっても、今回の大規模の修繕・模様替が構造耐力上の危険性を増大させないものなら、施行令137条の12第1項により、20条は遡及して適用されません(質疑応答集 問17)。国土交通省の技術的助言(国住指第517号)は、その例として「従前の屋根ふき材より重いものに葺き替えない」屋根の大規模の修繕・模様替を挙げています。

ただし、これは20条(構造)についての取扱いです。既存部分の調査や申請そのものが不要になるわけではありません。ほかの規定をどこまで現行基準に合わせる必要があるかは規定ごとに異なり、国は2026年8月の技術的助言(国住指第299号)で、既存不適格の緩和(法86条の7第3項)の対象となる規定について、大規模の修繕・模様替の際に現行規定の適用を受ける「部分」を規定ごとに整理しています。自宅の場合にどうなるかは、建築士に確認してください。屋根の重さと耐震の関係は→瓦屋根は地震に弱いって本当?で解説しています。

確認申請が不要でも、何もしなくてよいわけではない

確認申請が不要な工事でも、その工事に適用される建築基準関係規定への適合は必要です。確認が不要だから法令上の検討も不要、という意味ではありません。国土交通省は、確認申請を要さない改修でも、改修後の建物が構造耐力上・防火上安全であることが明らかでない場合は、壁量計算や耐震診断による構造安全性の確認、外装材等の防耐火性能の確保が必要になるとしています(国住指第356号、質疑応答集 問9)。既存不適格の規定を現行基準に合わせる必要があるかは、適用関係と緩和を個別に確認します。

安全であることが明らかかどうかは、施主が自分で判断するものではありません。誰が、どの資料や計算で確認するのかを施工会社に聞いてください。防火の規定については→屋根の防火は「飛び火」で考えるで整理しています。また、確認申請とは別の着工前の手続きとして、石綿(アスベスト)の事前調査があります→スレート屋根のアスベストは大丈夫?

確認申請をするのは誰?施主の役割と罰則

建築基準法6条1項で、確認を受け確認済証の交付を受ける義務を負うのは「建築主」と書かれています。建築主とは、工事の請負契約の注文者、または請負契約によらずに自ら工事をする者です(同法2条16号)。屋根工事を業者に頼む場合、施主が建築主に当たります。申請書の作成や提出は建築士などに依頼できますが、6条1項が確認を受ける者として定めているのは建築主です。

一方、確認済証の交付前に工事をしてはならないという6条8項に違反した場合は、工事施工者が罰則の対象です(同法99条1項2号)。6条1項に違反した者(同項1号)とあわせて、法定刑の上限は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。

だからこそ、工事の途中で範囲が広がったときに「誰が整理し、誰に確認し、誰が手続きを進めるのか」を、契約の時点で決めておく意味があります。

契約前に決めておくこと

次の項目は法律で決められているものではなく、工事の途中で手続きが変わったときに困らないための、契約上の提案です。

  1. 腐朽が見つかったときの連絡方法——写真で報告してもらうか、立会いを求めるか
  2. 交換範囲の示し方と承認——どの層(野地板・垂木)をどれだけの面積で替えるかを書面で示し、施主の承認を得る。確認申請が必要な工事は、確認済証の交付後に着手する
  3. 確認申請の要否を整理する人——交換範囲が広がった場合に、建築士が建物・範囲・面積を整理し、判断がつかなければ特定行政庁や申請予定の確認検査機関へ確認するか
  4. 申請が必要になった場合の役割と費用の内訳——建築主(施主)、申請の代理者、図書を作成する建築士、現況調査を担当する者を整理する。現況調査・設計・申請図書・手数料・検査をどう見積もるか
  5. 中断中の雨養生と再開の条件——屋根を開けたまま止めないための養生の方法・費用、確認済証が出たあとの再開の手順
  6. 工期と支払いの扱い——中断で完成時期がずれる場合の取り決め、中間金の支払時期

申請の実務を建築士などに委任しても、6条1項上の建築主の立場が変わるわけではありません。

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※マッチングサービスの利用は、工事の品質や確認申請の要否の判断を保証するものではありません。複数の事業者の回答をそろえても、申請の要否の判断にはなりません。判断は建築士や特定行政庁等に確認してください。事業者が見積作成料や現地調査費を設定する場合があるため、訪問前に費用の有無を確認してください。提案を受けたうえで見送っても構いません。

判断が分かれる設例

※以下は、想定される相談場面をもとに説明のために作成した架空の設例です。会話部分を含め、実在の人物・住宅・業者・契約事例ではありません。面積や築年数は説明のための仮定値です。

設例1:木造2階建ての葺き替えで、剥がしてから野地板の広い腐朽が見つかったと仮定した場合
契約書には「下地補修は別途」とだけ書かれていました。屋根材を外すと、野地板の腐朽が屋根の総水平投影面積のおよそ6割に相当し、一部の垂木にも傷みがあると報告されました。施工会社は、交換の範囲を決める前に、確認申請が要るかどうかを建築士と整理する必要があると説明しましたが、誰が建築士に依頼するのか、その費用を誰が負担するのか、確認を待つ間の雨養生をどうするのかが契約で決まっていませんでした。屋根をシートで覆ったまま話し合いが続き、工期も見通せなくなりました。

設例2:同じく木造2階建てで、契約前に下地の扱いを決めておいたと仮定した場合
見積もりの段階で、施主は「下地の腐朽が見つかったらどうするか」を質問しました。施工会社は、写真で報告して書面の承認を得てから着手すること、交換が広い範囲に及ぶ場合は、あらかじめ担当を決めた建築士が改修計画を整理し、判断がつかない場合は特定行政庁等へ確認すること、申請が必要なら工事を止め、その間の雨養生の方法と費用、申請に関わる費用の内訳を契約書の別紙に書きました。実際の腐朽は軒先の一部にとどまり、申請の話にはなりませんでしたが、追加の補修は承認した範囲だけで進みました。

確認申請の要否を分けるのは、建物・交換の範囲・面積です。一方で、工事途中の混乱を抑えるうえでは、判断する人・申請の実務・雨養生・追加費用の扱いを先に決めていたかが大きく効きます。

工法ごとの手続き上の扱いと、長所・別に確認すること

工法国の資料上の扱い長所別に確認すること・短所
屋根ふき材だけを替える葺き替え大規模の修繕・模様替に該当しない取扱い(材料を問わない)下地の状態を目で確認できる剥がしてから腐朽が分かり、計画が変わることがある。構造安全性が明らかでなければ壁量計算等の確認が必要
カバー工法大規模の修繕・模様替に該当しない取扱い既存の屋根材を撤去しない下地の状態を目で確認しにくい。重さが加わるため、構造安全性・防火の確認は別に残る(→カバー工法 vs 葺き替え)
野地板まで張り替える葺き替え国の資料だけでは一律に要否を決められない傷んだ下地を作り直せる交換の範囲と面積を整理し、建築士・特定行政庁等に個別に確認する
垂木まで改修する葺き替え確認申請の対象となる建物で、総水平投影面積の過半に及ぶ場合は、国の事例集では確認が必要な例傷んだ支持材まで改修できる申請が必要なら、調査・設計・図書・検査の費用と期間が加わる

よくある質問

Q. 屋根の葺き替え中に下地の腐朽が見つかったら、確認申請が必要になりますか?
A. 建物と変更後の計画によります。国土交通省の質疑応答集(問11)は、確認申請の対象となる建物(2階建て以上または延べ面積200㎡超など)で、変更後の計画が大規模の修繕・模様替に該当する場合は、工事を中断して確認申請が必要としています。腐朽が見つかったことや交換の面積だけで一律に決まるという意味ではありません。どこまで替えると当たるかは、計画ごとに建築士や特定行政庁等に確認してください。

Q. 野地板の張り替えだけなら、確認申請は不要ですか?
A. 国の資料は、それだけで決まるとは示していません。国土交通省の Q&A は、確認申請が不要とされた「屋根ふき材のみの改修」の例に野地板(合板)は含まれないとする一方、合板を替えれば申請が必要とも示しておらず、図はあくまでも例で実情に応じて判断するよう求めています。張り替える範囲と面積を整理して、建築士や特定行政庁等に確認してください。

Q. 平屋の場合も確認申請が必要になりますか?
A. 木造平家で延べ面積200㎡以下の住宅は、大規模の修繕・模様替だけを行う場合、確認申請の対象になりません。ただし、延べ面積が200㎡を超える平家は対象になりえます。また、増築などを伴う場合は扱いが違います。確認申請が不要な場合でも、その工事に適用される建築基準関係規定への適合は必要です。

Q. 工事の途中で確認申請が必要になったら、どのくらい止まりますか?
A. 一律の期間は示せません。建物の調査、図書の準備、審査機関の審査によって変わります。確認申請が必要となる建物・工事については、確認済証の交付を受けるまで、該当する工事を進められません(建築基準法6条8項)。契約前に、中断中の雨養生の方法と費用、再開の条件を決めておくことをおすすめします。

Q. 確認申請が必要になったら、家全体を耐震補強しないといけませんか?
A. 一律にそうなるわけではありません。構造の規定(建築基準法20条)について既存不適格の建物でも、構造耐力上の危険性を増大させない大規模の修繕・模様替なら、20条は遡及して適用されません。国は、従前より重い屋根ふき材に葺き替えない屋根の工事をその例に挙げています。ほかの規定の扱いは規定ごとに異なるため、建築士に確認してください。

Q. 確認申請が必要なのに、しないで工事をするとどうなりますか?
A. 建築基準法で、確認を受ける義務を負うのは建築主(工事を注文した施主)です。6条1項に違反した者や、確認済証の交付前に工事をした工事施工者には、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金という法定刑の上限が定められています(99条1項)。範囲が広がったときに誰が整理し、誰が手続きを進めるかを、契約の時点で決めておいてください。

まとめ

  • 屋根材を剥がしてから下地の腐朽が分かることはあります。追加の提案は、写真・交換範囲・数量・単価で確かめます。
  • 確認申請の要否は「葺き替え」という工事名では決まらず、①建物(2階建て以上・延べ200㎡超など)②交換の範囲 ③面積(総水平投影面積の過半)で確認します。
  • 屋根ふき材だけの葺き替えとカバー工法は、大規模の修繕・模様替に該当しない取扱いです(瓦から金属への葺き替えも同じ)。
  • 野地板の張り替えは、国の「該当しない例」に含まれない一方、それだけで申請が必要とも示されていません。計画ごとに建築士・特定行政庁等に確認します。
  • 確認申請の対象となる建物で、変更後の計画が大規模の修繕・模様替に当たる場合は、工事を中断して確認申請です。契約前に、連絡方法・範囲の承認・申請の段取りと役割・費用の内訳・中断中の雨養生・工期と支払いを書面で決めておいてください。

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監修者プロフィール

屋根・外装の実務に携わる専門家(二級建築士・2級建築施工管理技士) 戸建住宅の屋根・外装の調査、改修計画、施工管理に携わる実務者。本サイトでは、見積書や業者の説明に出てくる言葉と、法令・公的資料の定義を突き合わせて読めるようにすることを目的に記事を監修しています。 本記事は、建築基準法の条文、国土交通省の技術的助言(国住指第355号・第356号・第517号・第299号)、リフォームにおける建築確認要否の解説事例集、質疑応答集(令和8年8月6日時点)、および国土交通省の周知資料に基づいて構成しています。確認申請の要否は、建物の規模・構造・用途と工事の内容によって個別に判断されます。個別の工事の適法性や、特定の事業者の適合性、最安値であることを保証するものではありません。

参考

  • 建築基準法(e-Gov 法令検索)2条5号・14号・15号・16号・18号、5条の6、6条1項・8項、99条1項 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201
  • 国土交通省「屋根及び外壁の改修に関する建築基準法上の取扱いについて」(令和6年2月8日 国住指第355号)https://www.mlit.go.jp/common/001765903.pdf ・(参考資料)https://www.mlit.go.jp/common/001765909.pdf
  • 国土交通省「屋根及び外壁の改修に係る設計・施工上の留意事項について(周知依頼)」(令和6年2月8日 国住指第356号)https://www.mlit.go.jp/common/001765908.pdf
  • 国土交通省「既存建築物の増築等に係る建築基準法上の取扱いについて(技術的助言)」(令和7年3月26日 国住指第517号)https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/content/001883109.pdf
  • 国土交通省「既存建築物の増築等に係る建築基準法の運用の合理化等について(技術的助言)」(令和8年8月31日 国住指第299号)https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/content/002020182.pdf
  • 国土交通省「リフォームにおける建築確認要否の解説事例集(木造一戸建て住宅)」https://www.mlit.go.jp/common/001853472.pdf
  • 国土交通省「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第69号)に係る質疑応答集」(令和8年8月6日時点)2 建築基準法関係 2.建築確認手続きが必要となる大規模の修繕・大規模の模様替等について https://www.mlit.go.jp/common/001890168.pdf
  • 国土交通省 周知チラシ「建築基準法改正 建築確認」(2025年3月版)https://www.mlit.go.jp/common/001765901.pdf
  • 国土交通省「建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/r4kaisei_kijunhou0001.html

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