※本記事はプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。ただし特定の業者を売り込む記事ではありません。屋根・外装の実務者が、公的基準と実務経験に基づいて解説します。
最終更新:2026年7月29日|監修:屋根・外装の実務に携わる専門家(記事末プロフィール)
「屋根材はまだきれいなのに、なぜ雨漏りするのか」——屋根の相談で、いちばん多い矛盾です。
答えは、雨を最終的に止めているのが屋根材ではないからです。瓦もスレートも金属板も、その下に敷かれたルーフィング(防水シート・下葺き材)があって初めて防水として成立しています。そして厄介なことに、このルーフィングは外からは一切見えません。
しかも、これは業界の慣習ではなく法律の枠組みに位置づけられた部材です。新築住宅の10年保証の対象である「雨水の浸入を防止する部分」に含まれ、品質と施工方法が公的な基準で決められています。
この記事では、ルーフィングの役割、種類ごとの寿命、替えられるタイミングが実は2つしかないこと、費用相場、そして見えない部材だからこそ工事中に確認すべきことまで解説します。
🔍 この記事の結論(先にお伝えします)
- 屋根の防水は二層構造です。屋根材が一次防水、その下のルーフィングが二次防水。屋根材をすり抜けた雨水を最終的に止めているのはルーフィングのほうです。
- ルーフィングは「雨水の浸入を防止する部分」として、新築10年の保証対象に含まれます。住宅瑕疵担保責任保険の設計施工基準では、品質はJIS A 6005のアスファルトルーフィング940以上、重ねは上下100mm以上・左右200mm以上と定められています。
- 寿命の目安は、アスファルトルーフィング940で10〜20年、改質アスファルトルーフィングで20〜30年。屋根材より先に寿命が来ることがあります。
- ルーフィングを替えられるのは、葺き替えかカバー工法のときだけ。塗装では一切触れません。「屋根を塗ったから雨漏りは大丈夫」は成り立ちません。
- 材工の相場は約900〜1,200円/㎡。単独工事はできず、屋根材の撤去・新設とセットになります。
- 見えない部材なので、工事中の写真をもらうことが唯一の確認手段です。見積書に製品名が書かれているかも確認してください。
ルーフィング(防水シート)とは?屋根は二層で守られている
屋根の断面は、上から順にこうなっています。
| 層 | 部材 | 役割 |
|---|---|---|
| 一次防水 | 屋根材(瓦・スレート・金属板) | 雨の大半を受け止め、流し落とす。紫外線と風から下を守る |
| 二次防水 | ルーフィング(下葺き材) | 屋根材をすり抜けた雨水を止め、軒先へ流す。最後の砦 |
| 下地 | 野地板(合板など) | ルーフィングと屋根材を支える板 |
| 構造 | 垂木・小屋組 | 屋根全体を支える骨組み |
意外に思われますが、屋根材は雨を100%止める部材ではありません。強い風雨、横殴りの雨、屋根材の重なりの隙間からは、水が入ることが前提になっています。入った水を屋内へ落とさず外へ戻す——それがルーフィングの仕事です。
だから、屋根の防水を語るときの主役は屋根材ではなくルーフィングです。屋根材は「ルーフィングを守る屋根」でもある、という言い方のほうが実態に近いくらいです。
法律ではどう決まっている?(新築10年保証の対象)
ルーフィングは、公的な基準にはっきり位置づけられています。
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)第94条第1項は、新築住宅の「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」について、引渡しから10年間の瑕疵担保責任を定めています。屋根の下葺き材は、この後者に含まれます。
そして、それを担保する住宅瑕疵担保責任保険の設計施工基準 第7条(屋根の防水)には、次のように書かれています。
(1)下ぶき材は、JIS A 6005(アスファルトルーフィングフェルト)に適合する アスファルトルーフィング 940 又はこれと同等以上の防水性能を有するものとする。
(2)長手方向を横向きに用い、上下(流れ方向)は 100 ㎜以上、左右は 200 ㎜以上重ね合わせるものとする。
(3)谷部及び棟部は、谷底又は棟頂部より両方向へそれぞれ 250 ㎜以上重ね合わせるものとする。
さらに同条では、屋根面と壁面の取合い部は壁面に沿って250mm以上かつ雨押え上端より50mm以上立ち上げること、天窓の周囲は天窓および屋根ふき材製造者が指定する施工方法に基づいて防水措置を施すことも定めています(→天窓からの雨漏り)。
ここから読み取れることは、2つあります。
① ルーフィングの品質には最低ラインがある。 「アスファルトルーフィング940以上」が下限で、これを下回る材料は本来使えません。940という数字は、製品1巻(21m×1m)あたりの質量が約940gであることに由来します。
② 重ね幅は決められた数字がある。 上下100mm・左右200mmは、施工者の感覚ではなく基準です。ここが足りないと、重ね目から水が入ります。
なぜ「重ね幅」がそこまで大事なのか
ルーフィングは1枚の巨大なシートではなく、幅1m程度の帯を下から上へ何十枚も重ねて張る部材です。つまり屋根一面に、水平方向の重ね目が何本も走っています。この重ね目は、上の帯が下の帯に「かぶさる」ことで水を越えさせない仕組み。重ねが浅いと、風で吹き上げられた水がここを逆流します。面積ではなく重ね目の数だけリスクがある——だから寸法が基準化されているわけです。
ルーフィングの種類と寿命の目安
現在流通している下葺き材は、大きく次の3系統です。
| 種類 | 規格 | 寿命の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| アスファルトルーフィング940 | JIS A 6005 | 10〜20年 | 基準の下限。安価だが、釘穴の止水性や耐熱性は上位品に劣る |
| 改質アスファルトルーフィング(ゴムアスルーフィング) | JWMA ARK 04s-04:2018 | 20〜30年 | ゴム等で改質し、釘穴シーリング性・耐熱性・寸法安定性を向上。現在の主流 |
| 粘着層付き・高耐久タイプ | 各社仕様(ARK規格準拠品を含む) | 30年以上をうたう製品もある | 裏面が粘着層で、釘穴からの浸水に強い。急勾配・複雑形状・金属屋根で採用 |
| 透湿ルーフィング | 各社仕様 | 製品による | 湿気を外へ逃がす。断熱材を屋根面に入れる構成などで使う |
改質アスファルトルーフィングには長らくJIS規格がなく、2004年にアスファルトルーフィング工業会が独自にARK規格を制定、2018年に一般社団法人日本防水材料協会(JWMA)の規格として改定された経緯があります。ARK 04s-04:2018では、たとえば釘穴シーリング性について「試験片10個中8個以上に漏水が無いこと」、寸法安定性について「0±3mm」といった要求が定められています。
確度低(耐用年数はメーカー公表値と実務の目安です)
ここに挙げた年数は、製品カタログや業界で一般に語られる目安であり、公的に定められた耐用年数ではありません。実際の寿命は、屋根の温度環境(金属屋根の下は高温になりやすい)、勾配、通気の有無、施工品質で大きく変わります。同じ製品でも、南面と北面で状態が違うことは珍しくありません。
「屋根材はまだ持つ」でも雨漏りする理由
ここが、この記事のいちばん伝えたい部分です。
屋根材とルーフィングの寿命は、そろっていません。
| 部材 | 寿命の目安 |
|---|---|
| 粘土瓦 | 50年以上(瓦そのもの) |
| スレート | 20〜30年 |
| ガルバリウム鋼板 | 25〜40年 |
| ルーフィング(940) | 10〜20年 |
| ルーフィング(改質アスファルト) | 20〜30年 |
見てのとおり、瓦屋根では、屋根材よりルーフィングのほうがはるかに先に寿命を迎えます。瓦は50年持っても、その下のルーフィングが20年で切れていれば、そこから雨漏りが始まる。「瓦はきれいなのに雨漏りする」の正体は、たいていこれです(→瓦の重さと地震)。
そして、もうひとつ重要なこと。塗装ではルーフィングに一切触れません。
屋根塗装は屋根材の表面に塗膜をつくる工事で、屋根材をめくることはありません。つまり、下のルーフィングがどうなっていても、塗装では何も変わらない。本サイトで繰り返しお伝えしている「塗装は防水工事ではない」は、陸屋根のトップコート(陸屋根・ベランダ防水)と同じ構図が、勾配屋根でも成り立つという話でもあります。
「塗装したのに雨漏りが直らない」で相談に来る典型パターン
雨漏りの原因がルーフィングの劣化や重ね不良であれば、塗装工事を何度繰り返しても止まりません。塗装は屋根材の保護と美観のための工事です。雨漏りしている状態でまず提案されるのが塗装なら、原因の特定ができているかを確認してください(→雨漏り修理の費用と原因の特定)。
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ルーフィングを替えられるのは、この2つのときだけ
ルーフィングは屋根材の下にあります。だから、屋根材をどうにかしない限り手を出せません。現実的な選択肢は2つです。
| 工法 | ルーフィングの扱い | 向いているケース |
|---|---|---|
| 葺き替え | 屋根材をすべて撤去し、ルーフィングも野地板も新品にできる | 築30年前後/野地板が傷んでいる/瓦から軽い屋根材へ替えたい |
| カバー工法 | 既存屋根の上に新しいルーフィングと屋根材を重ねる。既存のルーフィングと野地板はそのまま残る | 既存下地が健全/工期と費用を抑えたい/アスベスト含有スレートで撤去費を避けたい |
| 屋根塗装 | 触れない | 屋根材の保護・美観。雨漏り対策にはならない |
| 部分補修 | 該当箇所のみめくって差し替え | 原因箇所が特定できている局所的な不具合 |
判断の分かれ目は、野地板とその上の既存ルーフィングが健全かどうかです。カバー工法は二次防水を新しく1層足せますが、古い層はそのまま下に残ります。もし野地板が湿気を含んで傷んでいれば、上から覆っても解決しません。この見極めが、カバー工法と葺き替えの本質的な差です(→カバー工法と葺き替えはどちらを選ぶ?)。
アスベストを含む古いスレートの場合は、撤去費用が上乗せになるためカバー工法が選ばれやすくなります(→スレート屋根のアスベスト)。
もうひとつ、判断のタイミングとして見落とされやすいのが屋根に太陽光パネルを載せるときです。穴を開けて固定する工法では、ビスが貫通するのは屋根材ではなく、その下のルーフィング。残り寿命が短いまま載せると、屋根を直すときにパネルの脱着費用が上乗せになります。載せる前に、屋根側の残り年数を確認しておくのが順序です(→姉妹サイト太陽光の過積載とパワコンの比率)。
ルーフィング交換の費用相場
単独の工事としては成立しません。 屋根材の撤去・新設と必ずセットになるため、見積書では「下葺き材」「ルーフィング」という項目として内訳に現れます。
| 項目 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 下葺き材(ルーフィング)材工 | 約 900〜1,200円/㎡ | 製品グレードで変動。高耐久・粘着層付きは上振れ |
| 参考:屋根面積100㎡の場合 | 約 9〜12万円 | 工事全体の中では小さい比率 |
| 足場 | 別途 | 屋根工事に共通する固定費 |
| 屋根材の撤去・処分 | 別途 | 葺き替えの場合。アスベスト含有なら大幅増 |
| 野地板の増し張り・張り替え | 別途 | 傷んでいた場合に発生 |
注目してほしいのは、工事全体に占める比率が小さいことです。屋根の防水性能をいちばん左右する部材なのに、金額としては数万円〜十数万円の差にしかなりません。
だからこそ、ここでグレードを落とすのは合理的ではないというのが実務者の見方です。せっかく屋根材をめくるのに、次に触れるのは20年後。そのときの足場代と撤去費を考えれば、材料の差額は誤差の範囲です。
費用の見方の検算
屋根面積100㎡で、940タイプ(900円/㎡)と高耐久タイプ(1,200円/㎡)の差は 約3万円。
一方、次に屋根をめくるための足場+撤去+諸経費は、工事内容にもよりますが数十万円規模。
つまり「3万円をケチって寿命が10年短くなる」なら、明らかに割に合わない計算になります。※金額は目安で、屋根形状・地域・業者により変わります。
見えない部材だから、ここを確認する
ルーフィングは工事が終われば二度と見えません。チェックできるのは、見積もりのときと工事中の2回だけです。
| タイミング | 確認すること | 理由 |
|---|---|---|
| 見積もり時 | 下葺き材のメーカー名・製品名・グレードが書かれているか | 「防水シート 一式」では品質が比較できない(→見積書の見方) |
| 見積もり時 | 谷部・壁との取合い・天窓まわりの役物や増し張りの記載があるか | 雨漏りの起点になりやすい箇所。ここの扱いが職人の差 |
| 工事中 | ルーフィングを張った状態の写真をもらう約束をする | 完成後は絶対に見えない。写真だけが証拠 |
| 工事中 | 写真で重ね目が下から上へ、重ね幅が確保されているか | 上下100mm以上・左右200mm以上が基準 |
| 工事中 | 谷部・棟部の両側250mm以上の重ね、壁際の250mm以上の立ち上がり | 設計施工基準の該当箇所 |
| 引渡し後 | 保証書に雨漏りの保証年数と範囲が書かれているか | 施工保証の対象範囲を文書で確認する |
写真をお願いすることを遠慮する方が多いのですが、まともな施工店ほど、頼まなくても撮っています。「工事中の写真をいただけますか」と聞いて渋られるようなら、それ自体が判断材料になります。
「防水シートが破れています」と言われたら
訪問営業で「屋根の下の防水シートが切れている」と指摘されることがあります。しかしルーフィングは、屋根材をめくらないと見えません。 外から見ただけ、あるいはドローンの空撮だけで断定できる部材ではありません。指摘を受けたら、どこをどうやって確認したのかを必ず聞いてください(→屋根の点検商法への対処 / 悪質業者の見分け方)。
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良い工事と、危ない工事の見分け方
| ✅ 安心できるサイン | ⚠️ 確認したほうがよいサイン |
|---|---|
| 見積書に下葺き材の製品名とグレードがある | 「防水シート 一式」だけで製品が不明 |
| 谷部・壁際・天窓まわりの処理が別項目で立っている | 屋根面の㎡数だけで、納まり部分の記載がない |
| 工事中の写真を標準で撮って渡すと言う | 写真を頼むと渋る/「見えないところなので」と流す |
| カバー工法の可否を野地板の状態を見てから判断する | 現地を見る前に工法と金額が決まっている |
| 「塗装では雨漏りは止まらない」と説明できる | 雨漏りの相談にまず塗装を提案してくる |
| ルーフィングの寿命と屋根材の寿命を分けて説明する | 「屋根材が30年もつから30年安心」とまとめる |
繰り返しになりますが、比率でも金額でもなく「説明できるか」が判断軸です。見えない部材の工事は、最後は施工者を信用できるかどうかに帰着します。だからこそ、説明の中身を複数社で比べる意味があります。
実際にあったケース(匿名・個人が特定されない形で再構成)
Cさん(60代・築28年の瓦屋根)— 3回目の塗装で気づいた
天井のシミが気になり、以前から付き合いのある業者に相談。「屋根の色が褪せているので塗装を」と勧められ、過去にも塗装した経験から今回も依頼しました。しかし翌年の梅雨に、同じ場所からまたシミ。別の会社に見てもらうと、瓦をめくった下のルーフィングが硬化して割れており、塗装では触れない層が原因でした。結局、葺き替えに。「瓦がきれいだから屋根は大丈夫だと思い込んでいた」と話しています。屋根材の見た目と、防水の寿命は別物でした。
Dさん(40代・築22年のスレート屋根)— 写真を頼んだら会社が絞れた
カバー工法で3社から見積もり。金額は10万円ほどの差でしたが、見積書を見ると1社だけ下葺き材の製品名とグレードが書かれていました。他2社に「どの防水シートを使いますか」「工事中の写真はいただけますか」と聞いたところ、1社は即答で製品名と施工写真の運用を説明、もう1社は「一般的なものです」という回答。最安ではない会社を選び、工事中はルーフィングを張った写真が毎日届きました。「金額より、見えない部分を見せてくれるかで決めた」とのことです。
まとめ:屋根の寿命は、屋根材ではなくルーフィングで決まる
- 屋根は二層防水。屋根材が一次防水、ルーフィングが二次防水で、最後に雨を止めているのは後者です。
- ルーフィングは品確法の「雨水の浸入を防止する部分」にあたり、瑕疵保険の設計施工基準で品質(940以上)と重ね幅(上下100mm・左右200mm以上)が定められています。
- 寿命は940で10〜20年、改質アスファルトで20〜30年。瓦のように屋根材が長寿命なほど、ルーフィングのほうが先に切れます。
- 替えられるのは葺き替えかカバー工法のときだけ。塗装では一切触れません。
- 材工の相場は約900〜1,200円/㎡で、工事全体に占める比率は小さい。ここでグレードを落とす合理性はありません。
- 見えない部材だからこそ、見積書の製品名と工事中の写真が唯一の確認手段です。
屋根工事は、屋根材の名前と総額で比べられがちです。でも、20年後にもう一度足場を組むかどうかを分けるのは、その下の見えない1層のほうです。「どの防水シートを使いますか」——この一言を、複数社に同じように聞いてみてください。
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よくある質問
Q. 屋根のルーフィング(防水シート)とは何ですか?
A. 屋根材の下に敷かれている防水層で、下葺き材とも呼ばれます。屋根材が一次防水、ルーフィングが二次防水にあたり、屋根材をすり抜けた雨水を止めて軒先へ流すのが役割です。住宅の品質確保の促進等に関する法律でいう「雨水の浸入を防止する部分」に含まれ、新築住宅では引渡しから10年間の瑕疵担保責任の対象になります。
Q. ルーフィングの寿命は何年ですか?
A. アスファルトルーフィング940で10〜20年、改質アスファルトルーフィングで20〜30年が目安です。高耐久タイプにはさらに長い寿命をうたう製品もあります。ただしこれらは公的に定められた耐用年数ではなく、屋根の温度環境や勾配、通気の有無、施工品質によって変わります。瓦のように屋根材が長寿命な場合、ルーフィングのほうが先に寿命を迎えます。
Q. 屋根塗装でルーフィングは新しくなりますか?
A. なりません。屋根塗装は屋根材の表面に塗膜をつくる工事で、屋根材をめくらないためルーフィングには一切触れません。雨漏りの原因がルーフィングの劣化にある場合、塗装を繰り返しても止まらないのはこのためです。ルーフィングを新しくできるのは、葺き替えかカバー工法のときだけです。
Q. ルーフィングだけを交換することはできますか?
A. 単独の工事としては現実的ではありません。屋根材の下にあるため、交換するには屋根材をいったん撤去する必要があり、葺き替えと同じ工程になります。カバー工法の場合は、既存の屋根の上に新しいルーフィングと屋根材を重ねるため、二次防水の層が1つ増える形になりますが、古いルーフィングと野地板はそのまま残ります。
Q. ルーフィングの施工が正しいかは、どうやって確認できますか?
A. 完成後は見えないため、工事中の写真をもらうのが唯一の確認手段です。住宅瑕疵担保責任保険の設計施工基準では、重ねは上下100mm以上・左右200mm以上、谷部と棟部は両方向へそれぞれ250mm以上、屋根面と壁面の取合い部は壁面に沿って250mm以上立ち上げると定められています。見積もり段階では、下葺き材の製品名とグレードが書かれているかを確認してください。
監修者プロフィール
屋根・外装の実務に携わる専門家(二級建築士・二級施工管理技士)
住宅の屋根・外装の設計と施工管理を実務として担当。屋根材メーカーや特定の施工店の立場ではなく、施主が判断するための材料をそろえる視点で解説しています。本サイトは匿名で運営しており、記事内で特定の業者を推奨することはありません。
参考
- 国土交通省「住宅瑕疵担保責任保険 設計施工基準」(第7条 屋根の防水=下ぶき材の品質・重ね幅・谷棟の納まり、第2条=品確法第94条第1項の「雨水の浸入を防止する部分」。2026年7月29日確認)
- 一般社団法人 日本防水材料協会(JWMA)「改質アスファルトルーフィング下葺材 ARK 04s-04:2018」(平成17年制定・平成30年11月27日改定。釘穴シーリング性・耐折り曲げ性・耐熱性・寸法安定性の品質規定。2026年7月29日確認)
- JIS A 6005(アスファルトルーフィングフェルト)— アスファルトルーフィング940の品質規格
- 国土交通省 住宅瑕疵担保履行法・品確法関連情報(新築住宅の10年保証の対象範囲)
※耐用年数と費用の目安は、製品カタログおよび一般的な施工相場に基づく参考値であり、公的に定められた数値ではありません。実際の寿命・金額は、屋根の形状・面積・勾配・立地・既存下地の状態・地域の施工単価により変わります。
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